愛媛県新居浜市でスマート養殖モデル構築の支援を行いました。
今回のクライアント様は小学校廃校を活用した文化交流施設を運営する会社様で25メートルプールを利用した養殖を行いたいとご要望を頂きました。
一方運営する予算が限られているとのことで、大がかりな設備や頻繁な換水、飼料、人的リソースの投入は難しい状況でした。
今回ご提案させて頂いた魚種は【ホンモロコ・ナマズ】です。
ホンモロコは淡水性の小型魚類で主にプランクトン類を捕食しています。
琵琶湖で多くが漁獲させていましたが、近年は最盛期の1/10までに漁獲量が減少し、高級食材の一つとなってしまいました。
ナマズは世界各地で食用に供され、日本国内においても天ぷらやかば焼きなどで食べられる魚です。
今回のモデルで飼育水にグリーンウォーターを維持することにより、飼育水中に植物プランクトンを発生させ、換水回数と投下する飼料の低減を実現しました。
一般的にかけ流し式でない養殖では溶存酸素の低下や排泄物等に由来する窒素化合物が 蓄積することなどにより斃死するリスクが高まるため、曝気、脱窒装置の導入が一般的 ですが、そのコストは低くありません。

グリーンウォーター環境下では発生する植物プランクトンが光合成をおこなうことで水 中に酸素を供給し、窒素化合物を消費するため斃死のリスクを低減することができます。
この取り組みにより、通常の飼料の投下、替水を行った養殖と比較して、運営コストを1/10以下に抑えることに成功しました。株式会社Skeed様のご協力を頂き、養殖池を遠隔で監視できるシステムを開発しました。これにより現地に赴くことなく飼育環境のモニタリングを実施することができるようになりました。

簡易的なシステム図

システム画面のスクリーンショット

生産したホンモロコ・ナマズはクライアント様が主催するイベントの試食会で提供されています。

